愛媛件西予市にある宇和新城の地で、自分たちで育てた自家製大豆のみを使用します。
まずは前日に、大豆品種『フクユタカ』と『はつさやか』をブレンドし、きれいに水洗いします。
豆道楽では使用する大豆の量が多く、およそ6.4kgの大豆から木綿豆腐で40丁の豆腐しかできません。
大豆を水に漬けていきます。漬ける時間は気温、湿度によって日々変わります。
浸かり具合は大豆を切って、断面を見て判断します。大豆がふっくらとして、少し隙間ができれば、良いころあいです。
豆腐づくりで一番気をつかう工程です。
当日の朝5時から仕込みに入ります。
前日から水に浸かって大きく柔らかくなった大豆を、専用の機械を使ってすり潰していきます。
状態をしっかりと目で確かめながら、注水しながら濃度を調整します。
豆摺りでできたものを『呉』といいます。生呉に熱を加えていきます。
大きな丸い釜に入れ、ボイラーによる蒸気加熱を行います。
釜の中で混ぜながら均一に加熱することで、大豆の豊かな味や栄養成分を最大限に取り出すことができます。
加熱した呉を、絞り機で濾して濾過分離を行い、豆乳とおからに分けます。
豆道楽では、丁寧に3度の絞りを行い、3種類のおからを取り分けています。
通常の豆乳は糖度が9%ほどですが、私たちの豆乳は13.5% ~ 14%の糖度があるのも自慢です。
このとろっとした豆乳はとても濃厚で、人気商品の一つでもあります。
にがりを入れることを、にがりを『打つ』といいます。
固形にがりをそのまま入れ、すぐに撹拌していきます。
撹拌する人によって、豆腐に個性が出る工程です。豆腐づくりの肝となる大切な工程です。
木綿豆腐は、木綿の布を型箱に敷き型入れするため木綿のあとがつくことから「木綿豆腐」といいます。
※おぼろ豆腐や絹豆腐にはない工程です。
凝固物が型箱に一杯になったら、上からプレス機で力を加えます。
この工程で、しっかりとした木綿豆腐が形作られます。
型箱から取り出し、水槽の中で一定の大きさに切り分けます。
まだ温かい豆腐をそのままパックに詰め、それから水槽で冷却することで豆腐のうまみを逃さないように工夫しています。
大豆は弱アルカリ性の土壌でよく育ちます。
丁寧に耕して、畑の準備ができたところにタネまきをします。
トラクター後部に播種機を取り付けて、元気に育つようにタネとタネの間に間隔(条間)をあけてまいていきます。
種をまいて、3日ほどで芽が出始めます。
まっすぐ上を向いてピンっとしっかり伸びてくるのが印象的です。
これが大きくなって、枝豆になり、大豆になって、豆腐などの加工品などになっていくことを考えると、感慨深いものがあります。
8月下旬ごろに、花が咲き始めます。
このような紫色の小さなかわいい花が咲きます。
このころから沢山水が必要になります。土の乾燥には注意が必要です。
大豆は強い作物ですが、丁寧に作っていくことで品質を高めていきます。
9月下旬には、さやがつき、さやの中で種子が成長していきます。
さやが膨らんだら、枝豆になります。
農場によっては、枝豆の段階で出荷する分を用意しているところもあります。
豆道楽では全て豆腐用の大豆として育てています。
10月半ごろには、さやが徐々に黄色に色づいていきます。
さやの中でも少しずつ枝豆から大豆に変化していっています。
だんだん大豆の雰囲気が出てきましたね。
完全に葉が落ちたころに、さやを振って中で豆がカサカサと音がするようになったら収穫時です。
大型コンバインで一気に収穫していきます。
さやと大豆が分離されて出てくるような構造になっています。
実りの時期はとても嬉しい気持ちになります。
収穫した大豆を、地元JA宇和の乾燥施設に持ち込んで、持ち込んだ分だけさやなどのゴミを取り除いて乾燥させます。
乾燥させた大豆は、機械を使って選別し、厳しい検査を経て保管します。
その後、施設の中にある豆道楽専用の保管場所に保管してもらいます。
これが、地元産・豆道楽産100%の豆腐を作ることができるポイントです。